2009年5月28日木曜日

「叱る」ということ

先日のブログにコメントをくださったJ君のお母様、「叱ってくださって」なんて書いてくださって、本当にありがとうございます。「叱る」って本当に難しいですよね。それに多大なエネルギーを必要とします。フォローも一日かかるし・・・。だからついついのびのびになってしまうんだけど、叱るタイミングって、私の場合、やはり「それってよくないんじゃない?」という気持ちが、「叱る」というしんどい行為から逃げたいという気持ちを上回った時なのかなあ?って思ったりしています。

明石学園で非行の子ども達を受け入れていて、いつも感じていたのは、この子達って、誰からも叱ってさえもらえなかったということでした。「体罰=悪」というのは、今は、お題目のようになっていますが、体罰さえしてももらえなかったのだなあ・・・って。殴るということは「関わる」ということです。「愛」の反対は「無視」などとよく言いますが、本当に教師から「関わる」ことを放棄されていた子どもが多かったです。

・・・でも考えてみればそうなんです。頭はよくないのみならず授業の邪魔ばかりするし、向上心はないし、言うことは一人前のくせに自分は怠け者だし、話せば人の気分を害するような言葉が出るし・・・全く・・・関わりあいにはなりたくない人たちなのです・・・。その子たちを「殴って」(別に殴らなくてもいいのですが(笑)真剣に関われば殴りたくなる、あるいは殴ってでも止めざるを得ないような状況に陥る・・・)謝罪に行って、始末書書かされて、問題の先生のやり玉に挙げられて、、、自分の将来を棒に振る(あるいは逆切れされて怪我をする)ようなこと、誰もしたくないんですよねーーーホント、怖いし・・・。

・・・というのが実際問題としてあって、つまり教師は、適当に笑いを絶やさず相手を切れさせない程度に注意して、深く関わることを避けてきた・・・というような子ども達だったんですよね。もちろん全員というわけではないし、本当に彼らと24時間、寝食を共にするにつれて、それぞれに哀しい過去と現実があり、向上心がないわけではなく、立ち直りたいと思っている部分もあることや、愛情を求めたり、愛する喜びを持っているということがわかってくるのですが・・・(でも、それには本当に長い時間がかかります。いろんなしんどさ、勉強やスポーツ、農作業だけでなく、逃げたのを警察に引き取りにいって、叱って髪染め直して、また一から出直して・・・・それとか、ひどいことをいう親や、ただ帰ってきてくれるな、とだけ考えているような中学教師などとの面談をともに乗り越える・・・というような繰り返した後・・・ということです)。

長くなってしまいました。何を書きたかったかというと、つまり「叱る」という行為は「愛情」なのだということです。何だか書いてしまうとあまりにも月並みで、「何だ、そんなことか、そんなこと誰でも知ってるよ」って言われそうなのですが・・・。その子どもが何をしても見て見ぬふりもできる、でも、それってよくないんじゃない?人として、私はあなたそういうことをとをしてほしくない、という表現なのですよね。

園でも、注意しても注意しても、あまりに「いやだ~~~」とか言ってると、「いや、別にいやなら、私はいいんだけど」と、感じてしまうこともあります。だって私は別に困らないし・・・というかね。。。でも、そこをあえてしつこく言う、エネルギーを費やして、言葉を尽くして、誠意を尽くして、時には厳しく演技するというような方法論も取りつつ導いていく・・・というのが、教師としての務めなのだろうと感じています。

いろいろと話が横道にそれてしまって自分でも何を書きたかったのかわからなくなってきてしまっているので、そろそろこの辺りにしようと思っているのですが、やっぱり一番しんどくて、でも一番の愛情表現は「叱る」という行為なのだと思っています。

今さらJ君お母さんをはじめ、そんなことはおわかりの方ばかりだとは思いつつ・・・、「叱る」という言葉が出た折に、明石時代のことを思い出し、一言書いてみました。

今後とも「叱る」ことは避けて通ることのできない教師としての務めです。疑問に思われることもおありかと思いますが、そんな時は是非お電話いただけたらと思いますが、基本的には「愛情表現」としてとらえていただけましたら幸いに思います。

一言と言いつつ、いつも長くなります。ごめんなさい。
今日も「叱り」ました~~~。いささか疲れています。この辺りで。
ではまた。

5 件のコメント:

yell さんのコメント...

本当にそうだなとつくづく思いながら
たまたまあるメルマガの今日の一言に

同胞に対する最悪の罪は、憎むことではなく、無関心なことだ。

by バーナード・ショー

ってあり更に納得しました。
肝に銘じつつ、仕事できればいいなぁ

とも子先生 さんのコメント...

私のダラダラと長い文章を一言でまとめられてしまいましたねーーー。先生は中学生相手だからもっと大変ですよね。エネルギーも数倍使うことでしょう。でも、何となくいつも飄々としているおられるところが、私は好きです♡ あれはポーズ?なのですか???

Jの母 さんのコメント...

叱るということ。。。私にとっては「真剣に向き合う」ということでしょうか。
これがナカナカしんどいのですが。。。

それから意識的にチェックしているのは「動機」です。
同じ内容で叱っていても、「自分の都合」にならないように、あくまで「子どものこれからのため」であるようにしたいとおもっています。
これがナカナカ難しいのです~~~。

ついつい厳しくなりすぎの母ですが。ははは。。。

とも子先生 さんのコメント...

 そうですね。本当に「真剣に向き合う」ということはしんどいことです。でも、真剣に向き合った後は、大人言葉でいう「信頼関係」が深まっていることが多い・・・ということを経験的に感じますね。

 「動機」についても、考えさせられますね。園でも、「あおぞらという集団としての都合」によることもあるので、心したいと思います。

Jの母 さんのコメント...

コメントありがとうございます。
先生のおっしゃる「あおぞらという集団としての都合」は、私にとっては充分「子どものこれからのため」に入ると思います。
周囲とのバランスは大切です~~!
なので、遠慮なくお叱りくださいm(_~_)m