2009年1月10日土曜日

番外編「闇の子供たち」再び

 3連休ですね。

 今週は、「あおぞら」午前終わりで、かつ3連休をいただき、まだ冬休み気分が少し残っています。

 が!一昨日、大阪で「闇の子供たち」の阪本順治監督の講演があり、行ってきました(「闇の子供たち」話題、しつこくて申し訳ありません。・・・が、多分この問題と、私は生涯離れられなさそうなので、お付き合いください・・・)。実は、講演だけではなく、また映画上映があり、この映画を2度観る気力がなく、直前まで躊躇していたのですが、行ってみると観るしかなく、またまた観てしまうことになってしまいました。でも、2度目だったので、前回ほどの衝撃はなく、3日間の不眠ということはなさそうで、ホッとしています。また、2度観ること、監督の話を聞くことで、前には疑問に感じたりした部分も納得できたのでよかったです。

 阪本監督というのは、あんまり気負ったところがなく、「知ってしまったからには逃げられなくて、この映画を撮った」というような話をされていました。日本人スタッフも俳優陣も皆、同様の理由だったようです。このような問題にかかわることは、命にかかわることでもありますから、躊躇する気持ちも本当だと思うし、でも、この恐ろしい現実を前にして、「逃げられない」「何かできることがあれば、しなければならない」といういう気持も、本当だと思うのです。


 監督自身、「こんな映画一本で、何にも変わらない」と言い放ちながらも、かかわらざるを得ない気持ちになるのは、このあまりに忌まわしく眼を背けたくなるような現実が、自分自身の問題であるという認識を持ってしまったからなのだと思います。そして、この映画は、この現実が私たち(とりわけアジアでは最も買春のひどい日本人)自身の問題なのだということを、伝えようとしているのだと思います。そしてこの現実と自分はどのようにかかわっていくのかという自問を喚起しているのだと思います。決してタイの恥部を暴くことでも、反日感情をあおることでも、自虐意識を喚起することでもなく・・・。


 その後は、中国、タイ、カンボジアで人身売買の問題に生涯をかけて取り組んでこられた栗本さんの講演がありました。その話は、この映画よりもヒドイ現実であり、最近は新生児の奪い合いのようなことが起こっているそうです。
 臓器移植のために新生児が売買されるというのは、当然、臓器というものが人間の手では作り出すことのできないものであるからで、やはり、神の領域に属するものなのだと、改めて感じたりします。このあまりにも当然のことが、忘れ去られつつあるのかもしれません。・・・とはいえ、自分の子どもが、そのような状況になったときに、自分がどうなるのか?ということに対して、明確に即答できる人っているのだうか?と感じたりもします。それが、阪本監督がこの映画を撮った理由であり、自分の問題として考えなければならないという意味なのだと思います。

 この話題、とても一方的で申し訳ないと思っています。が、もし少しでも関心のある方は、2/25にDVDも発売されるようですので、レンタルでいいのでご覧になってみてください。三日間は寝られないと思いますが、今、この時も、大人たちの性の犠牲になっている子ども達がいるという現実をまずは知ってあげてください。幼児買春、人身売買の問題だけでなく、臓器移植や生命倫理、民族の問題、また北からの搾取による貧困と絶望など、様々な問題を自分自身の問題として提起してくる映画です。
(注*ご覧になる場合、くれぐれも子ども達のいない時間にね)

 またまた「あおぞら」とは程遠い話題になってしまいました。子ども達にこんなことは伝えなくてもいい、しかし、大人はきちんと現実社会に対して眼を見開いていなければならない・・・という観点に立ち、どうぞお許しくださいませ。

 今週も「あおぞら」の子どもたちが守られますよう祈りつつ・・・

3 件のコメント:

とも子先生 さんのコメント...

「闇の子供たち」新聞の映画紹介記事を読んだだけでも、かなりの衝撃を受け観るのも、
本を読むのも決心がつかず過ごしていましたが、やはり目をそむけず知ることから始めなくてはいけないのだな--と思いました。

とも子先生 さんのコメント...

文庫で読みました。「観る」より「読む」方が、自分の理解のペースで読めてしまうので、より衝撃が強く、本屋で飛ばし読みした際には、これを読み通す勇気はないかも・・・というのが正直な印象でした。
しかし、以前に頂いたメーメー便りを思い出し、やはり読まないと始まらないと思い購入しました。
読んで良かったと思っています。


ヨット君のパパでした。

とも子先生 さんのコメント...

 やったあ~~~♡ 待ちに待ったコメントがきましたね~~~。うれしいなあ♡・・・でも、「とも子先生さんは書きました」になってるね。どうしてかな?だいたいブログのことなんて、よくわからないのに始めちゃったんだものね。どうしたらお名前(ニックネーム?)出るのか、誰か教えてくださ~い。
 しかし今回は、はあまり浮かれるようなコメントではないですよね。ヨット君のパパさん、そうです、二度目の映画がそれほど衝撃的でなかったのは、原作が映画を上回る衝撃度だったからです。本当に怖いですね。でも最後まで読んでくださってありがとうございました。多分、私と同様、これからの人生、心のどこかにこの問題を留めてゆかれるのではないかと思います。しんどいことですが、一緒に留めてゆきましょう・・・。